1956年、昭和31年、日本コカコーラボトリング設立
コカ・コーラの製造、販売のシステムそのものは、フランチャイズビジネスとしてアメリカではすでに存在していたものがそのまま日本に採用されました。しかし、当時わが国では、フランチャイズ、フランチャイジングという言葉は知られていませんでした。
この時のフランチャイズは商品商標提供型フランチャイジング(自社の商品の流通や販売権を供与するシステム)と呼ばれる、代理店契約のような形で、運営ノウハウの提供は行われておりませんでした。
1963年、7月、ダスキン(愛の店)10月、不二家(洋菓子店)が日本で先人を切りました。
この時のフランチャイズは、経営方式提供型フランチャイジング(独自のフランチャイズ・パッケージ{ブランド、システム、ノウハウ、指導、etc}を許諾するシステム)が多く、またの名を、ビジネス・フォーマット・フランチャイジングとも言います。
日本のフランチャイズの歴史はおもにここが発祥と定義されている事が多いです。
日本フランチャイズ草創期
1963年 |
7月 ダスキン、ダストコントロールのFC1号店が出店 10月 不二家が洋菓子店のFC1号店を出店 この時から日本におけるフランチャイズビジネスが始まる |
1966年 |
1月 (社)日本ボランタリーチェーン協会設立 5月 ハリー・カーシュ著、川崎進一訳「フランチャイズチェーン」が出版 フランチャイズビジネスに関する日本で始めての単行本 |
1967年 | 8月 日本チェーンストア協会が発足 |
1969年 | 8月 フランチャイズビジネスに関する日本で始めての業界専門誌「月間フランチャイズシステム」(東京経済)が発刊 |
1970年 |
5月 ミスタードーナッツ 6月 ウィンビー 7月 ケンタッキーフライドチキン 外資系フランチャイズシステムの日本進出が相次ぐ |
中小企業基本法の公布や、第1次資本自由化など、法の施行による後押しもあり、60年代はフランチャイズビジネスの台頭を促すように、現在の大手フランチャイザーが姿を現し出しました。
日本フランチャイズ成長期
1971年 |
4月 ダスキンが「ミスタードーナッツ」直営1号店を出店(FC1号店は11月) 7月 日本マクドナルド直営1号店が東京・銀座三越にオープン 9月 日本ケンタッキー・フライド・チキンのFC1号店出店 12月 ホッコクが「どさん子」500店舗達成 |
1972年 |
3月 「モスバーガー」パイロットショップ1号店を出店、6月に直営1号店を出店 3月 丸紅、米デイリークイーン社と合弁会社設立。FC1号店を6月に出店 4月 ドトールコーヒー「カフェコロラド」FC1号店出店 9月 「ロッテリア」FC1号店出店 11月 「さんルートホテル」直営1号店開業 12月 日本発のDIY店「ドイト」が開業。この後、DIYのFCが続出した |
1973年 |
4月 「吉野家」FC1号店出店 9月 三菱商事とキリンフードサービス、米シェーキーズ社と合弁で日本シェーキーズ設立 11月 イトーヨーカ堂、米サウスランド社と契約を結び、ヨークセブン(現セブン-イレブン・ジャパン)設立 12月 不二家、米バスキン・ロビンス社と合弁会社ビーアール・ジャパン設立 |
1974年 |
3月 ホッコク、米ニューヨークに海外FC1号店を出店 4月 「サーティワンアイスクリーム」FC1号店を出店 5月 「セブン-イレブン」FC1号店を出店 7月 アンデルセン、FC1号店を出店 |
1975年 |
2月 吉野家、米コロラド州デンバーに海外1号店を出店 3月 パオ、「長崎ちゃんめん」FC1号店を出店 4月 「オートバックス」FC1号店出店 8月 山田食品産業、米ニューヨークにラーメン専門店「TARO」を出店 11月 「小僧寿し」500店舗達成 |
1976年 |
2月 日本マクドナルド、ライセンス契約第1号店出店(沖縄) 3月 「鍵の救急車」FC1号店出店 6月 「ほっかほっか亭」直営1号店出店 9月 「村さ来」FC1号店出店 11月 「明治サンテオレ」FC1号店出店 |
1977年 |
2月 ホッコク、「どさん子」1000店舗達成 4月 日本マクドナルド、初の郊外型独立店舗出店 5月 サンショップヤマザキ(現・デイリーヤマザキ)、「サンエブリー」FC1号店出店 6月 「小僧寿し」1000店舗達成 6月 日本KFCが業界初のドライブスルー型店舗を出店 8月 ダスキン、米ユナイテッドレントオール社と事業提携 |
1978年 |
4月 ほっかほっか亭総本部「ほっかほっか亭」FC1号店出店 5月 「ヤマザキデイリーストアー」FC1号店出店 8月 セブンイレブン、発注端末機を開発・導入 8月 「つぼ八」FC1号店出店 9月 「セブン-イレブン」500店舗達成 |
これらの日本的なフランチャイズの開始、海外からのフランチャイズの上陸など一連の流れはわが国のチェーンシ化のシステム作りに非常に貢献しました。
■ 「業態、価額革命、単品専門店」という思想
■ 「システムノウハウ」の重要性
■ QSC(品質、サービス、清潔感)のフランチャイズ・チェーン・オペレーションの基本的原則
■ 「3S主義」として「単純化」「標準化」「専門家」の導入
チェーン展開で画期的な事といえば、ビッグストアが中心となり、新しい生活提案として、コンビニエンスストアを展開した事です。
1973年9月、西友がファミリマート第一号店を開店
10月、ダイエーがローソン第一号店を開店
1974年5月、イトーヨーカ堂の別会社ヨークセブンを設立し、セブンイレブンの第一号店を開店
これが契機となり、次々とコンビニエンスストアが展開されるようになりました。